100キロからのダイエット|113.2kg→73.0kgの症例を医師が解説
「100キロを超えてしまったけれど、どうやってダイエットを始めればいい?」
「100キロからでも体重を落とすことはできる?」
体重が100kgを超えると、自分だけでダイエットを始めることに不安を感じる方も少なくありません。
今回ご紹介するのは、北海道札幌市のころもクリニックで1年間の医療ダイエットを行った30代女性の症例です。
治療開始時の体重は113.2kg、BMI44.2。
1年間の治療後には73.0kgとなり、40.2kgの減量となりました。
さらに、体重だけではなく、腹囲や体脂肪量、内臓脂肪レベルにも変化がみられています。
この記事では、この症例をもとに、100キロからダイエットを始めるときに知っておきたい食事や運動、減量の考え方と、肥満・内臓脂肪・生活習慣病との関係について医師が解説します。
※治療効果や減量の経過には個人差があります。本症例と同様の結果を保証するものではありません。
100キロからでもダイエットはできる?BMIと肥満度を確認
体重が100kgを超えているからといって、ダイエットができないわけではありません。
一方で、「100キロ」という体重の数字だけで、肥満の程度や健康への影響を判断することもできません。
肥満の程度を評価するときに用いられる代表的な指標がBMI(Body Mass Index)です。
BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算します。
日本ではBMI25以上を肥満とし、BMIによって肥満度が次のように分類されます。
BMI 25以上30未満 肥満(1度)
BMI 30以上35未満 肥満(2度)
BMI 35以上40未満 肥満(3度)
BMI 40以上 肥満(4度)
今回の症例は身長160cm、治療開始時113.2kgで、BMI44.2・肥満(4度)に該当しました。
1年後には73.0kg、BMI28.5まで変化しています。
また、BMI35以上は「高度肥満」に分類されます。
100キロからダイエットを始める場合には、体重だけを見るのではなく、BMIや肥満度、腹囲、内臓脂肪、既往歴、血圧、血液検査なども確認しながら進めることが大切です。
113.2kg→73.0kg|1年間の医療ダイエット症例
今回ご紹介する患者様は、30代女性、身長160cmです。
治療開始時の体重は113.2kg、BMIは44.2でした。
体重
113.2kg → 73.0kg (−40.2kg)
BMI
44.2 → 28.5 (−15.7)
体脂肪量
62.4kg → 25.3kg (−37.1kg)
筋肉量
48.2kg → 43.1kg (−5.1kg)
内臓脂肪レベル
24 → 11 (−13)
腹囲
122.2cm → 90.0cm (−32.2cm)
体重は1年間で40.2kg減少
体重の推移は以下の通りです。
治療前 113.2kg
↓
3ヶ月後 100.3kg
↓
6ヶ月後 90.6kg
↓
9ヶ月後 79.8kg
↓
1年後 73.0kg
開始時から1年後までの体重減少率は約35.5%でした。
ただし、これは今回の患者様の治療結果です。
100キロからダイエットを始めれば、すべての方が同じ期間・同じペースで痩せるという意味ではありません。
100キロからのダイエットで「体重だけ」を見ない理由
今回の症例で医師として注目したいのは、113.2kgから73.0kgへ体重が減ったことだけではありません。
治療前後で、
BMI 44.2 → 28.5
体脂肪量 62.4kg → 25.3kg
腹囲 122.2cm → 90.0cm
内臓脂肪レベル 24 → 11
という変化が確認されています。
肥満を医学的に考えるときには、「何kgあるか」だけではなく、脂肪がどの程度蓄積しているのか、どこに脂肪が蓄積しているのか、肥満に関連する健康障害がないかという視点も重要です。
100キロを超える肥満で注意したい「内臓脂肪」
身体に蓄積する脂肪には、皮下脂肪や内臓脂肪があります。
このうち、生活習慣病との関係で特に重要になるのが内臓脂肪です。
内臓脂肪が過剰に蓄積すると、血糖や血圧、血清脂質などの異常と関連し、複数のリスクが重なることで動脈硬化性疾患のリスクにも関係します。
そのため100キロからのダイエットでは、体重計に表示される数字だけを目標にするのではなく、腹囲や身体の状態にも目を向けることが大切です。
腹囲が大きい=メタボではありません
「お腹が出ているからメタボ」と思われることがありますが、腹囲だけでメタボリックシンドロームと診断されるわけではありません。
日本の診断基準では、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上であることに加えて、血圧・血糖・血清脂質の3項目のうち2項目以上が基準を満たす場合にメタボリックシンドロームと診断されます。
今回の患者様は治療開始時の腹囲が122.2cmでしたが、この数値だけをもってメタボリックシンドロームと診断することはできません。
だからこそ、肥満がある場合には体重や腹囲だけではなく、血圧や血糖、脂質なども含めて身体の状態を確認することが重要です。
肥満から生活習慣病へ|メタボリックドミノとは?
肥満と生活習慣病の関係を理解するときに知っておきたい考え方の一つが、「メタボリックドミノ」です。
生活習慣の乱れをきっかけに体重が増え、内臓脂肪が蓄積すると、血圧・血糖・脂質などの異常が重なり、その先のさまざまな疾患へつながっていく可能性があります。
このように健康障害が連鎖していく様子を、ドミノ倒しに例えた考え方がメタボリックドミノです。
イメージすると、
生活習慣の乱れ
↓
体重増加・内臓脂肪の蓄積
↓
血圧・血糖・脂質などの異常
↓
メタボリックシンドローム
↓
糖尿病・動脈硬化・慢性腎臓病など
↓
心筋梗塞・脳卒中など
というように、上流の変化から複数の健康障害が連鎖していくという考え方です。
大切なのは、健康上の問題が進行してからではなく、できるだけ早い段階から自分の身体の状態を知り、必要な対策を始めることです。
医師コメント|100キロからのダイエットを「見た目」だけの問題にしない
100キロからダイエットを始めたい方の中には、「見た目を変えたい」「好きな洋服を着たい」という方もいらっしゃいます。
もちろん、それも大切な目標です。
一方で医学的には、肥満は見た目だけの問題ではありません。
特に内臓脂肪の蓄積は、血圧・血糖・脂質などの異常と関連します。
そのため100kgを超える方のダイエットでは、単純に「何kg痩せるか」だけではなく、現在の身体の状態を確認しながら体重管理を進めることが重要です。
100キロから何キロ痩せればいい?
「100キロを超えているなら、標準体重まで一気に落とさなければ意味がない」と考える必要はありません。
目標体重は、身長やBMI、体脂肪量、内臓脂肪、既往歴、血液検査、年齢、生活習慣などによって異なります。
今回の症例では最終的に40.2kgの減量となりましたが、「100キロを超えている人は40kg痩せる必要がある」という意味ではありません。
現在の身体の状態を確認し、自分に合った目標を設定して継続することが大切です。
今回の症例で行った医療ダイエット
今回の患者様には、ダイエット薬だけを使用したわけではありません。
医師による診察・問診を行いながら、患者様の状態に合わせて複数の方法を組み合わせました。
- ダイエット処方薬
- 医療用EMS
- 脂肪溶解注射
- 代謝改善注射
- 食事・栄養指導
- プロテイン
医師による診察と毎回の問診
当院では来院ごとに問診を行い、体重の経過や薬の作用・副作用、食事摂取内容などを確認しています。
その時々の状態や減量の経過を見ながら、医師の判断のもと薬剤の種類や使用量などを調整し、治療を進めていきます。
ダイエット処方薬
身体の状態や食事内容、生活習慣などを確認したうえで、医師の診察のもとダイエット処方薬を使用しました。
薬剤によって期待される作用や副作用が異なるため、患者様の状態を確認しながら使用します。
GLP-1を使った医療ダイエットについて詳しく知りたい方は、
GLP-1ダイエットとは?効果や薬の種類、副作用について解説
もご覧ください。
医療用EMS
今回の症例では、減量中の筋肉量維持をサポートする目的で医療用EMSによる施術も取り入れました。
EMSは電気刺激によって筋肉を刺激する医療機器です。
ダイエットでは体重を落とすことだけでなく、筋肉にもアプローチしながら身体のラインを整えていくことが大切です。
当院では、食事・栄養管理や薬による治療と医療用EMSを組み合わせ、減量とともにボディメイクもサポートしています。
脂肪溶解注射
部分的な脂肪へのアプローチとして脂肪溶解注射も治療に取り入れました。
注射後には、施術部位の痛み、赤み、腫れ、内出血などが生じる場合があります。
代謝改善注射
今回の症例では、アルファリポ酸を主成分とした代謝改善注射も行いました。
アルファリポ酸は、体内のエネルギー代謝に関わる成分で、糖質の代謝をサポートする働きや抗酸化作用があります。
食事から摂取した栄養素をエネルギーとして利用する過程にも関わっており、ダイエット中の代謝をサポートする成分として用いられています。
食事・栄養指導
100キロからのダイエットだからといって、食べる量を極端に減らせばよいわけではありません。
当院では患者様の食生活や生活スタイルを確認しながら、必要な栄養を確保し、治療終了後にも続けやすい食事を一緒に考えていきます。
100キロからのダイエットで大切なこと
100キロからダイエットを始めるときに大切なのは、短期間で一気に痩せることだけを目標にせず、食事・運動・生活習慣を自分の身体に合わせて調整し、無理なく継続することです。
① 極端な食事制限をしない
体重を落とすためには、食事から摂取するエネルギーと、身体が消費するエネルギーのバランスが重要です。
ただし、「早く痩せたいから」と食べる量や摂取カロリーを極端に減らす方法はおすすめできません。
必要な栄養が不足したり、筋肉量が減少したりする可能性があります。
まずは1日に何をどのくらい食べているのかを把握し、食事だけでなく間食や飲み物、糖質・脂質の摂り方なども確認します。
必要な栄養を確保しながら、自分に合った食事量へ調整することが大切です。
② 運動は身体の状態に合わせて始める
ダイエットでは食事だけでなく、運動や日常生活で身体を動かすことも大切です。
ただし、100kgを超えている方が、運動習慣のない状態から突然激しいトレーニングを始めることが適しているとは限りません。
体重や年齢、関節の状態、既往歴などを確認し、無理なく続けられる方法から始めましょう。
③ 体重が停滞しても焦らない
ダイエット中は、毎日同じペースで体重が落ち続けるわけではありません。
今回の症例でも、1年間を通して一定のペースで減量したわけではありません。
体重が停滞したときに食べる量をさらに減らしたり、急に運動量を増やしたりするのではなく、現在の食事内容や生活習慣、体調などを確認することが大切です。
④ 睡眠や生活習慣も見直す
100キロからのダイエットでは、食事と運動だけでなく、睡眠を含めた生活習慣にも目を向けます。
最初からすべてを完璧に変える必要はありません。
現在の生活の中で改善できることから少しずつ始め、続けられる習慣を増やしていくことが長期的な体重管理につながります。
⑤ 痩せた後のリバウンドまで考える
100キロからのダイエットでは、体重を落とすことだけでなく、減量後の体重を維持することも重要です。
短期間だけ厳しい食事制限や運動を行っても、その方法を続けられなければ、以前の生活に戻ったときにリバウンドする可能性があります。
好きなものをすべて禁止するなど、ストレスの大きい方法では継続が難しくなることもあります。
ダイエット中から、減量後も続けられる食事や生活習慣を意識することが大切です。
100キロからのダイエットについてよくある質問
Q. 100キロからでも痩せることはできますか?
可能ですが、適切な方法や目標体重は一人ひとり異なります。
100kgという体重だけで判断するのではなく、身長、BMI、体脂肪、腹囲、既往歴、血液検査、食生活などを確認したうえで方法を検討することが大切です。
Q. 100キロから何キロ痩せればいいですか?
一律に「○kgまで痩せるべき」と決めることはできません。
身長やBMI、肥満に関連する健康障害の有無などによって目標は異なります。
今回の患者様は40.2kg減量していますが、この結果を他の方の目標として推奨するものではありません。
Q. 100キロから痩せるには1日の摂取カロリーをどのくらいにすればいいですか?
「100kgなら1日○kcal」と体重だけで一律に決めることはできません。
必要なエネルギー量は、年齢、性別、身長、体重、筋肉量、基礎代謝、普段の活動量などによって異なります。
摂取カロリーを極端に減らすのではなく、現在の食事内容や間食などを確認し、必要な栄養を確保しながら自分に合った量へ調整することが大切です。
Q. 100キロを超えていたら病院に相談した方がいいですか?
100kgという体重だけで医療機関の受診が必要かどうかを判断することはできません。
ただし、BMIが高い場合や、健康診断で血圧・血糖・脂質・肝機能などの異常を指摘されている場合、睡眠時無呼吸が疑われる場合、すでに生活習慣病の治療を受けている場合などは、医師への相談を検討してください。
Q. 100キロから40キロ痩せるにはどのくらいかかりますか?
減量に必要な期間には個人差があり、「40kgなら○ヶ月」と一律に決めることはできません。
今回の症例では113.2kgから73.0kgまでの40.2kgの減量に1年間を要しましたが、これは一例です。
開始時の体重や身体の状態、食事、生活習慣、治療方法などによって減量のペースは異なります。
医師コメント|100キロからのダイエットは「何kg痩せたか」だけで考えない
今回の症例では、1年間で113.2kgから73.0kgへ40.2kgの体重変化がみられました。
しかし、医師として注目したいのは体重だけではありません。
BMI、体脂肪量、腹囲、内臓脂肪など、肥満に関連する複数の指標がどのように変化しているかを見ることも大切です。
また、肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、血糖・血圧・脂質などの異常と関連します。
100キロからダイエットを始める場合も、「とにかく早く体重を落とす」ことだけを目標にするのではなく、現在の身体の状態を確認し、自分に合った方法で継続的な体重管理を行うことが重要です。
まとめ|100キロからのダイエットは身体の状態を知ることから
今回ご紹介したのは、30代女性が1年間の医療ダイエットを行った症例です。
体重 113.2kg → 73.0kg(−40.2kg)
BMI 44.2 → 28.5
体脂肪量 62.4kg → 25.3kg
内臓脂肪レベル 24 → 11
腹囲 122.2cm → 90.0cm
100キロからダイエットを始めるときには、体重だけではなく、BMIや腹囲、内臓脂肪、既往歴、血圧、血糖、脂質などにも目を向けることが大切です。
また、食事・運動・睡眠などの生活習慣を見直し、減量後にも続けられる方法を考えることがリバウンドを防ぐためにも重要です。
ころもクリニックでは、医師による診察のもと、身体の状態や食事内容、生活習慣などを確認しながら、一人ひとりに合わせた医療ダイエットをご提案しています。
「100キロを超えて、何から始めればいいか分からない」
「自分の場合はどのくらいの減量を目指せばいい?」
という方は、無料カウンセリングでご相談ください。
※治療効果・減量の経過には個人差があります。
※本症例は特定の治療結果を保証するものではありません。

