ゼップバウンドとマンジャロの違いは?どっちが痩せるか迷ったときの確認ポイント

診察

同じ有効成分「チルゼパチド」を含みながら、使用目的や適応症が異なるゼップバウンドとマンジャロ。

「自分にはどちらが合っているのか」「より高いダイエット効果を期待できるのはどちらか」と悩む方は少なくありません。

本記事では、両薬剤の違いや期待できる効果、迷った際の判断ポイントを解説します。

ゼップバウンドとマンジャロの違いは?

まずは、ゼップバウンドとマンジャロの違いをお伝えします。

有効成分と基本的な作用は同じ

ゼップバウンドとマンジャロは、どちらも「チルゼパチド」という同一の有効成分で作られています。

体内の2つの腸管ホルモン「GIP」と「GLP-1」の受容体に作用し、インスリン分泌を促進して血糖値をコントロールするほか、食欲の中枢に働きかけて満腹感をもたらします。

胃の消化速度を緩やかにする作用もあるため、少量で満足感を得やすくなります。食欲を抑える基本的な仕組みに違いはありません。

承認されている効能・効果が異なる

有効成分は同じですが、公的に認められている「適応症(承認されている目的)」が異なります。

  • ゼップバウンド:「肥満症」の治療薬として承認。肥満に伴う健康障害の改善や体重減少を主目的とする。
  • マンジャロ:「2型糖尿病」の治療薬として承認。血糖値の正常化を主目的とする。

糖尿病の治療か肥満症の治療かによって、保険適用や処方対象となる条件が変わります。

押さえておきたいのが、マンジャロを減量目的で使用する場合は適応外の使用にあたる点です。国内で肥満症治療薬として承認されているのはゼップバウンドであり、同じ成分でも「どの目的で承認されているか」が異なります。

オンライン診療や個人輸入では、適応の違いが説明されないままマンジャロが処方されるケースも見受けられます。承認の枠組みを理解したうえで判断することが、安全な治療の出発点です。

 

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維持用量にも違いがある

開始時の用量(2.5mg)や4週間ごとの増量ペース(2.5mg刻み)は共通していますが、「標準的な維持用量(使い続ける基本の量)」の設定が異なります。

  • ゼップバウンド:週1回10mg(状態に応じ5mg〜最大15mgまで調整)。体重の大きな減少を目指すため、基準が比較的高め。
  • マンジャロ:週1回5mg(症状に応じて最大15mgまで調整)。血糖値の安定を優先するため、低〜中用量が目安。

治療目的に合わせた投与量が設定されている点も、両者の重要な違いです。

ゼップバウンドとマンジャロの共通点

ゼップバウンドとマンジャロは承認目的こそ異なりますが、薬剤としての根本には多くの共通点があります。

相違点ばかりに目が向きがちですが、共通する特徴を理解しておくことは、自分に合った治療法を安全に選ぶ基本となります。

どちらも有効成分がチルゼパチド

ゼップバウンドとマンジャロは、どちらも有効成分が「チルゼパチド」です。中身はまったく同じで、違うのは「どの病気の治療薬として承認されているか」という点だけです。

マンジャロが2型糖尿病の治療薬として先に承認され、その後、同じ成分に肥満症治療の効能が追加で認められたのがゼップバウンドという製剤です。

GIPとGLP-1の両方へ作用

チルゼパチドは、GIPとGLP-1という2種類のホルモン受容体に同時に作用します。

従来のGLP-1受容体作動薬は血糖値を下げたり食欲を抑えたりする働きが中心でしたが、チルゼパチドはGIP受容体にも作用することで、より効果的に血糖改善や体重減少をサポートするとされています。

同じく減量目的で用いられるウゴービ(有効成分:セマグルチド)は、GLP-1受容体のみに作用する製剤です。

作用する受容体が違えば、期待できる効果や副作用の出方も変わります。「GLP-1」と一括りにされがちですが、製剤ごとの特性を踏まえて選ぶことが大切です。

どちらも週1回の皮下注射

ゼップバウンドもマンジャロも、週1回の皮下注射で使用します。ペン型の製剤で、腹部や太ももなどに投与します。毎日服用するタイプの薬と比べ、投与のタイミングを管理しやすい点が利点です。

投与方法には、患者様自身が自宅で打つ自己注射と、医療機関で医師が投与する形があります。

一方で、投与は週1回でも、経過の確認はそれとは別に必要です。チルゼパチドは4週ごとの増量が想定される薬剤であり、増量の可否は体重の落ち方・副作用の程度・栄養状態を踏まえて判断すべきものだからです。自己判断での増量や中止は避け、必ず医師の指示に従ってください。

当院ではマンジャロをはじめとする週1回製剤について、医師が対面で診察したうえで注射を行う体制をとっています。

主な副作用にも共通点がある

成分が同じであるため、主な副作用の傾向もマンジャロとゼップバウンドで共通しています。代表的なのは吐き気・嘔吐・下痢・便秘といった消化器症状で、特に投与開始直後や増量した直後に出やすいとされています。

多くは身体が薬に慣れるにつれて軽快しますが、症状が強く続く場合や、脱水・急性膵炎を疑うような強い腹痛などが出た場合は、自己判断で我慢せず速やかに医療機関を受診しましょう。

ゼップバウンドとマンジャロはどちらが痩せる?

どちらも同じ高い減量効果が期待できますが、目指す減量幅や使用する用量、保険適用の条件によって最適な選択肢は変わってきます。

同じ成分でも単純比較はできない

ゼップバウンドとマンジャロは「チルゼパチド」という同一の有効成分を含んでいるため、同じ用量(mg)であれば体内での基本的な減量作用に大きな違いはありません。

しかし、「どちらがより痩せるか」を単純に一言で比較することはできません。なぜなら、患者の元々の体質や病状、治療の主目的(糖尿病治療か肥満治療か)、そして実際に処方される「投与量の違い」によって、最終的な減量効果の出方が異なるからです。

臨床試験の対象患者が異なる

臨床試験(治験)データを比較する際は、対象となった患者群の背景が異なる点に注意が必要です。

ゼップバウンド(SURMOUNT試験):主に「2型糖尿病を伴わない肥満症患者」が対象。

マンジャロ(SURPASS試験):主に「2型糖尿病患者」が対象。糖尿病がある方はインスリン抵抗性などの影響で体重が落ちにくい傾向がある。

一般的に、糖尿病がない肥満症患者のほうが、同用量のチルゼパチドで体重減少率が高く出やすいことが知られています。数値だけで「ゼップバウンドの方が痩せる」と決めつけず、治験対象の違いを理解しておく必要があります。

投与量によって体重減少率も異なる

同じチルゼパチドでも、投与量が多いほど体重減少の効果が大きくなる傾向がデータで示されています。臨床試験でも、用量が上がるにつれて平均的な体重減少率が大きくなる結果が報告されています。

ただし用量を上げるほど副作用のリスクも高まるため、効果とリスクのバランスを見ながら、医師が患者ごとに適切な用量を判断します。

ゼップバウンドとマンジャロの対象者と保険適用

ゼップバウンドとマンジャロは、治療目的や身体状況によって、公的医療保険の対象になるか自由診療になるかが分かれます。

ここではそれぞれの条件と、保険診療で受けられる治療の範囲を整理します。 

ゼップバウンドには肥満症の条件がある

ゼップバウンドを保険診療で使うには、国が定めた基準を満たす必要があります。単に「痩せたい」というだけでは適用されません。

6か月以上の食事・運動療法で効果が得られなかったことを前提とし、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • BMIが35以上の方
  • BMIが27以上かつ指定の健康障害(高血圧・脂質異常症・2型糖尿病など)を2つ以上持つ方

生活習慣の改善を試みても効果が薄く、医学的な治療が必要と判断された場合のみ保険が適用されます。

 

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マンジャロは2型糖尿病が対象

マンジャロは2型糖尿病の治療薬として保険適用されている薬剤です。

血糖値のコントロールが主な目的であり、体重減少はその過程で見られる副次的な効果という位置づけです。そのため、糖尿病ではない方がダイエット目的でマンジャロの保険処方を受けることはできません。 

保険診療には医療機関側の条件もある

ゼップバウンドやマンジャロの保険診療は、患者側の条件だけでなく医療機関側にも一定の条件が求められます。

厚生労働省が示す最適使用推進ガイドラインに沿って、専門的な知識を持つ医師が在籍していることや、必要な検査体制が整った施設であることなどが求められます。そのため、どの医療機関でもすぐに保険処方を受けられるわけではありません。

美容目的は保険適用にならない

美容目的での使用は保険適用の対象外で、全額自己負担の自由診療(自費診療)になります。BMIが基準に届いていない、あるいは健康障害を伴わない「見た目を良くしたい」という目的は、医学的に治療が必要な病気とみなされないためです。

自由診療では薬剤費に加えて診察料や検査料も自己負担となり、費用は医療機関や治療設計によって異なります。

なお当院では、GLP-1/GIP製剤の単品処方は行っておらず、栄養指導・医療機器施術などを含む医療痩身プログラムの一部として提供しています。

ゼップバウンドは睡眠時無呼吸症候群にも適応

ゼップバウンドは肥満症だけでなく、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)にも適応が追加されています。肥満はOSASの大きなリスク因子であり、減量によって症状の改善が期待できるためです。

BMI27以上で中等症以上のOSASと診断された方は、この適応でも保険診療の対象となる場合があります。いびきの強さや日中の眠気など思い当たる症状があれば、内科や呼吸器を扱うクリニックで相談してみましょう。

 

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保険診療の肥満外来でできること・できないこと

費用面だけを見れば保険診療が有利に思えますが、保険の肥満外来には治療内容そのものにも制限があります。

基本となるのは栄養療法・生活習慣指導・薬物療法の3本柱で、脂肪細胞そのものに働きかける治療や、筋肉量を保つための医療機器施術は原則として行われません。来院間隔も月1回〜2か月に1回が一般的なため、細かな服薬調整やたんぱく質摂取量のコントロールまでは踏み込みにくいのが実情です。

ここで問題になるのが脂肪細胞の性質です。薬や食事制限で体重が落ちても、脂肪細胞は小さくなるだけで数そのものは変わりません。治療終了後に残った脂肪細胞が再び大きくなれば、体重は戻っていきます。保険診療の枠内での減量にリバウンドリスクが残りやすいのは、このためです。

当院は自由診療のため、体脂肪や代謝の状態を評価しながら、薬物療法・栄養指導に加えて脂肪細胞レベルへのアプローチまで含めた治療設計が可能です。

保険が使えるかどうかだけでなく、「終わった後も維持できる設計になっているか」という視点で比較していただければと思います。

 

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薬で痩せるときに知っておきたい身体の変化

望むような減量効果を安全に得るためには、体重が減るプロセスや、起こりうる体調の変化について正しく知っておく必要があります。

減量では筋肉量も減ることがある

薬による体重減少では、脂肪だけでなく筋肉量も一緒に減る場合があります。チルゼパチド製剤は食欲を抑えて摂取カロリーを減らしますが、身体はエネルギー不足になると脂肪とともに筋肉も分解して使おうとするためです。

急激に体重が落ちるケースほど筋肉量の減少が大きくなりやすいとされています。体重の数字だけでなく、身体の中身の変化にも注意を向けましょう。

食事量が減ると栄養不足にも注意

食欲が抑えられて食事量が減ることで、栄養不足に陥るリスクがある点にも注意が必要です。特に、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどが不足しやすく、体調不良や体力低下につながる可能性もあります。

少ない食事量の中でも栄養バランスを意識し、必要であれば管理栄養士のいる医療機関で食事指導を受けるなど、栄養面のサポートも取り入れましょう。

筋肉を保つには食事と運動も重要

薬の効果だけに頼らず、たんぱく質を意識した食事と適度な運動療法を組み合わせることが、健康的な減量には欠かせません。

薬はあくまで食欲や血糖値をコントロールする補助的な役割です。筋肉量を維持しながら体重を減らすには、日々の生活習慣の改善が土台となります。

やめた後のリバウンドにも注意

薬剤の助けによって食欲が抑えられている間に、卒業後を見据えた生活習慣の見直しを行っておくことが成功の大きな鍵となります。

中止後に体重が戻ることがある

投与を中止すると、薬によって抑えられていた食欲が徐々に元へ戻っていきます。臨床試験でも、チルゼパチドの投与をやめた後に体重がリバウンドする傾向が報告されています。

「薬のおかげで食欲が減っていただけ」という状態のまま投与をやめると、食事量が以前のレベルに戻り、減らした体重が元通りになるリスクがあります。

 

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減量後も生活管理が重要

薬による治療期間は、体重を減らすだけでなく「適切な食事量や運動習慣を身につけるための準備期間」と捉えましょう。

服薬中にバランスの良い食事と適度な運動を習慣化できていれば、薬をやめた後もリバウンドを抑えやすくなります。投与中止後も続けられる生活を心がけることが大切です。

副作用が強いときは増量を急がない

減量を急ぐあまり無理に投与量を増やすと、吐き気や胃もたれ、下痢、便秘といった消化器系の副作用が強く出て、治療の継続自体が難しくなるケースがあります。

体調不良で食事が摂れなくなると筋肉量が落ち、代謝が下がってリバウンドしやすい体質をつくる原因にもなります。副作用が気になる場合は自己判断で急がず、医師と相談しながら用量を調整してください。

ゼップバウンドとマンジャロのよくある質問

最後に、ゼップバウンドとマンジャロについてよく寄せられる疑問にお答えします。

副作用や使い方に違いはある?

成分・注射方法・起こりうる副作用の種類は基本的に同じで、大きな違いはありません。どちらも週1回の皮下注射で、少量から始めて段階的に増量していく使い方が基本です。

BMI25未満でも使用できる?

BMI25未満で保険診療を使用できるかは、治療目的や診断、ほかの条件によって異なります。マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは肥満症と承認されている適応が異なるため、BMIの数値だけでは判断できません。

一方、保険診療の対象外であっても、自由診療であれば体組成や代謝状態を評価したうえで治療の選択肢を検討できます。

当院にもBMI25未満で「体重は標準だが体脂肪率が高い」「気になる部位だけ落としたい」という方が多くご来院されており、健康面と美容面の両方から医療ダイエットをご提案しています。

マンジャロからゼップバウンドに変更できる?

成分自体は同じであるため医学的には移行が可能なケースもありますが、保険診療上は病名や条件の確認が必要です。

たとえば2型糖尿病でマンジャロを使用していた方が肥満症の条件も満たす場合、医師の判断でゼップバウンドへの変更が検討されることはあります。

ただし保険で使える病名や条件は薬ごとに定められているため、自己判断での切り替えはできません。

札幌で医療ダイエットを検討中の方へ

当院「ころもクリニック」は、患者様一人ひとりの健康状態や目標に合わせたオーダーメイドの治療プランを提供しています。

当院では、医療痩身施術の注意事項について十分にご説明した上で、適切なプランを提案します。

初めての方でも安心して治療をスタートできるよう、無料カウンセリングを行っています。

カウンセリングは何度行っても費用はかからず、無理な勧誘もおこないませんので、ダイエットに関する悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

記事監修者

谷口 靖弥

谷口 靖弥ころもクリニック 院長

大学病院での臨床経験をはじめ、大手脂肪吸引専門クリニックや大手医療ダイエット専門クリニックにて、数多くの患者さまと向き合っていく中で、肥満が健康と美容の両面に大きな影響を与えることを強く実感。
「ころもクリニック」で患者さま一人ひとりが“健康で美しく過ごせる未来”を手に入れられるよう、全力でサポートしている。

所属学会

  • 日本肥満学会 正会員
  • 日本美容内科学会 正会員
佐々木 香奈

佐々木 香奈ころもクリニック 代表

臨床の現場で生活習慣病の治療に携わり、予防医療の大切さを実感したことをきっかけに、北海道の肥満治療に奮励。
2022年7月には札幌駅近くに医療ダイエット専門のクリニックである「ころもクリニック」を開院した。 お客様一人一人の “なりたい自分” を 最大限に叶えるために、丁寧なカウンセリングとニーズに合わせた施術を提供している。